「明日のたりないふたり」を見た感想。お笑い芸人って格好いいが止まらない2時間

「明日のたりないふたり」を見ました。

オードリーの若林さんと、南海キャンディーズの山里さんによるコンビの、最後の漫才。

 

たりないふたりの名前は聞いたことがあるし、若林さんの本も、山里さんの本も読んできました。

 

それでも今回、初めて見たのは、コロナの影響で僕にとっていちばんのエンタメだったミュージシャンのライブに行く機会がめっきり減ったこと。

別のエンタメを求めていたことからラジオを聞くようになって、今では欠かせない楽しみになったことが大きかったのかなと思っています。

特にオードリーのオールナイトニッポンは毎週、楽しみに聞くようになりました。

 

本当は見た後すぐに感想を書きたかったけど、ぼーっと生きてるうちに2週間くらい空いちゃって、今からじゃアーカイブは見れないくらいには遅れました。

2時間近くある漫才をまじまじと見るのって人生で初めてだったのですが、その間ずっと画面に釘付けでした。

 

「たりないふたり」なんてユニット名をつけているように、若林さんも山里さんも才能と人望に溢れた、キラキラした人間じゃないことを自称しています。

スクールカーストで上の方にいたような人間じゃないことを自称しています。

 

初めてたりないふたりを見るまで何も知らなかった僕は、若林さんも山里さんも、完全に天才なんだと思っていました。

芸能界で生き残るためには、卑屈で自信のないキャラクターの方が向いてるからと、意図的にそれを演じているものだと思っていました。

 

ところが、たりないふたりを見てみると、それが作り上げたキャラクターじゃなかったことに気付かされます。

お二人は普段から卑屈で自信のないそのままの生き方をしていて、そのままの姿でお笑い芸人として戦ってきた。

 

最初にお笑い芸人になりたいと思ってステージに上がったときに、もしかしたら「自分はお笑い芸人には向いてないのかもしれない」とも思っていたのかもわかりません。

だからといって、いきなり理想のお笑い芸人像のような人間に変わることなんてできない。

 

それに、わざわざマジョリティ側へキャラクターを合わせるよりは、マイノリティでも、既に自分が持っている武器を磨いて勝負に出た方が生き残れるし輝ける。

ないものねだりってどうしてもしたくなりますが、そうじゃなくて自分の個性を信じて戦い抜く覚悟。

これを持ったからこそ、結果的に今では多くの人から好かれるお笑いスターになったお二人の、生き様そのものを映した2時間でした。

 

漫才の節々からその姿勢を感じますが、後半には山里さんの具体的な描写が出てきて、自分を信じ抜いて戦ってきたその姿勢の格好良さに泣きそうになりました。

お笑い芸人さんって、自分たちでネタを作って「絶対に面白い」って自分を信じ抜いてないと世に出ていけない訳で、その姿勢がすごく格好いい。

 

そうやって自分のやることを信じ抜いた先で、お客さんに笑顔だったり、生活の楽しみになるような価値を提供してあげられる。

お金をもらえて仕事になる。これって本当にすごいことだと思いました。

 

才能とセンスの世界。それがもしダサかったとして、自分で気付ける人なのかどうか、とかも。

もしスターになれなかったとしても、本人が自分を信じ抜いてやりきっていれば、その価値観に共鳴する人は必ずしもゼロじゃない訳で、何人かの人を喜ばせることができる。

 

その喜ばせた人の数が多ければお金も稼げて仕事になるけど、生活できるだけのお金も稼げなかったら趣味の範囲に留まってしまうのか、なんて思ったりもしました。

ダサい自分に気付けて、より多くの人に喜んでもらえるように、自分を世間に合わせてチューニングできるセンスを持ってたりすれば、それもまた才能。

 

自分が何を、どうやりたいのかってところからスタートして考える。

お笑いスターとして世に出る以上、そういったチューニングは幾度となく繰り返しているんだろうと思います。

ただ「たりないふたり」には、テレビで見る若林さんや山里さんとはまた違った人格のお二人がいて、胸が熱くなりました。

 

やりたいことを、自分を信じ抜いてやっている人は格好いいなと思いました。

天才って言葉もあるけど、それは最後まで自分のことを信じ抜いてあげられた人のことを言うのかなって思ったりもしました。

 

これでお二人に憧れて、お二人を真似たような生き方をしてキャラクターを寄せていくんじゃ元も子もないし、ないものねだり。

自分には何があるのか、既に何を持っていて、どうやって磨いて磨いて、尖らせてより強靭な武器にしていくのかを考えることが、やるべきことなんだろうと思いました。

 

みんなそれぞれいいところがあるんだから、自分のことをもっと理解して、できることを武器にして戦っていくこと。

「たりないふたり」なんて言いますが、そう言いながらも自分を信じ抜いて武器を磨いて戦い抜いてきたお二人に、とても勇気をもらった2時間の漫才でした。格好よかった。

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いわはし

いわはし

もうすぐ30歳になるので、うかうかしていられません。

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