「ザ・トゥルー・コスト」上映会を終えて。ぼくが自腹を切ってでも、観て欲しい映画でした。

4月28日、以前から告知をしていた映画「ザ・トゥルー・コスト」の上映会を無事に終えることができました。

結果として、15人もの方にお越し頂きました。

当日、会場に来て下さった皆さん、本当にありがとうございました。

 

初めて自分1人で、上映会という形でイベントを開催してみて、人がお金を払って、大切な時間を割いて、ぼくが開催したイベントに足を運んでくれるということは、本当にすごいことだなと思いました。

バタバタしてしまったことや、段取りの悪さなどもあって完璧に満足して頂けるような形ではなかったかもしれませんが、主催者として、そこまでを含めてこういった経験をさせて頂けたことに、本当に感謝しています。

 

今回はチケットを「Peatix」というサービスを使って販売しました。

サービスを使うとと、Peatix内でも表示されるようで、ご参加頂いたうち、ほぼ半分の方はそちらを経由して上映会のことを知り、参加をして下さったようです。

 

もう半分は、このブログを普段から読んで下さっている方々。

レンタルスペースを2時間しか借りていなかったこともあり、非常にバタバタしてしまったので、ゆっくりお話できる時間がなかったことを少し後悔しています。

今度、何かしらの形でまたイベントを行う機会があれば、今回の経験をきっかけに、より改善して運営できるようにしたいと思っています。

 

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人は、消耗品のような扱いで日々、洋服を着ている

さて、上映した「ザ・トゥルー・コスト」の内容はいかがでしたでしょうか。

ぼくが初めて見てから、前から行っていなかったファストブランドのお店に、今まで以上に足を運ぶことを拒むようになった、きっかけの作品。

 

消耗品のように洋服を着ている人が多い世の中、ぼくも含め、人は「おしゃれな洋服を買えば幸せになれる」と思い込みすぎているという事実。

本当のところ、それはお金儲けをしたい企業がビジネスのために打ち込んだ、人の心理によく漬け込んだ広告でしかないという事実に気付き、知って頂けるきっかけに、きっとなってくれたと思います。

 

ぼくはブログを書くことが仕事です。

ここ半年くらいは、東京に引っ越して周りに服屋さんがたくさんある環境に身を置くようになったりしたことから、毎日のように洋服を買っていました。

そして、それらを紹介する記事を、できるだけ毎日のように書いていました。

 

1ヶ月ほど前から、記事を書く頻度が明らかに下がったのは、紛れもなく「ザ・トゥルー・コスト」を見たからです。

自分が「服を買えば幸せになれる」と思い込んでいた事実に、そして現実はそうではないことに気が付いてしまったから。

 

そう思い込んでいる自分や、映画に登場する海外のユーチューバーに対して直接思い込んでいる訳ではありませんが、そうした人間の行為を愚かにすら思ってしまったんです。

有名なレンタルショップに行っても貸し出しを行っている店舗は少なく、見る機会が非常に限られているのがこの映画。

 

ぼくたち日本人は、ファストファッションが流行って普及することで、おしゃれな洋服を安く買うことができて最高だ、と思っているかもしれません。

ただ、今いる場所からは見えない遠くで、異国の地で、そういった洋服を作ることに苦しみを感じ、家族を失い、低賃金に嘆き、泣いている人たちがいる。

その事実を、1人でも多くの人にぼくは知って欲しかったんです。

 

映画にも出てきますが、ファストファッションの代表的なブランドとも言える「H&M」

最近、縫製を依頼している国や工場の情報を、商品ごとに明らかにしました。

その姿勢や、服作りの設備が整っており、かつ発展途上国で国にお金と自国で生み出し完結できる仕事を強くは持っていないバングラデシュなどの国に対して仕事を依頼する形は、素晴らしいことに見えるかもしれません。

 

でも、果たして本当にそうなのか。

発展途上国に仕事を依頼しているように見えて、搾取しているだけではないのか。

 

もし本当に、それで正当な金額の報酬を払っていたのなら、国はもっと豊かになっていたはずです。

貧困に喘ぐ人や、必要最低限の賃金を求めてデモを行う人、何より数千人に及ぶ死者は出なかったのではないでしょうか。

 

「絶対にそうだ」と強く、自分の意見を押し付けるつもりは、ぼくにはありません。

ただ、企業が取った行動の表面上だけを見るのではなくて、是非、ご自身で考えてみて頂きたい部分です。

 

スケールの大きい話をしているように、記事を書いていても思いますが、あくまでもこれは洋服に関する話なんです。

人間の欲求が膨れ上がってしまった結果であり、それらを「服を着る」という行為に頼りすぎてしまった結果。

それでぼくたちは本当に幸せになることができるのか。改めて考えてみて欲しいです。

 

結果は赤字だけれど、とても貴重な経験をさせて頂きました

著作権だったり、色々な権利や法律だったり決まりがあるので、仕方のないことなのかもしれません。

今回、作品を上映するにあたって、上映用のDVDを借りるにあたって、権利的な問題で支払う金額は27,000円です。

 

ぼくは今回、cinemoというサービスを使って「ザ・トゥルー・コスト」を上映したのですが、実はこれでも払うお金はサービス側が適用している割引を使うことで半額になっていて。

4月、指定の期間内で行う上映会に限って半額になっているということで、そして何よりぼくは多くの人にこの映画を見て欲しいという気持ちがあったので、今回は上映会を開催しました。

 

本来は54,000円を支払うところ、今回は27,000円。そこに別途、自分でレンタルスペースを借りるためのお金として8,000円を支払いました。

チケットは快適なスペースを提供している映画館よりも高くしてしまえば、ぼったくりのようになってしまうので、1,400円。

30人分の椅子を用意できるスペースでしたが、25人の方に来て頂いてようやくプラマイゼロ、という状況でした。

 

サービス側に強く文句を言うつもりはもちろんありません。

著作権だったり、権利的な問題が絡んでくると、高いお金が発生することは百も承知で、それでも上映会を開催したいと思い、今回は行いました。

 

ただ、今のような状況では、よほど影響力を持っている人でもない限り、自腹を切ってまで開催することしかできない悲惨な状況になってしまいます。

せっかくの素晴らしい映画を共有する場と素敵なサービスも、現状のままでは多くの人が積極的に手を挙げられるようなものでは、全くありません。

 

実際に人にお金と時間を割いて足を運んでもらうこと。

自宅で簡単に見れる作品だったとしても、それらの手間を踏んでまで観てもらうことには、大きな価値があるし、特別なことだと思っています。

「ザ・トゥルー・コスト」のような作品ならば、より上映会といったイベントの場を通じて多くの人に、考えるきっかけを与えるものであって欲しいと強く思っています。

 

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ぼくが自腹を切ってでも観て欲しい。「ザ・トゥルー・コスト」はそんな映画です

今回の上映会では、ぼくも15,000円の赤字となりました。

初めてのイベント開催ということもあり、バタバタしてしまった部分もあって。

 

そういった経験は次にイベントを開催するときの役に立てることができる。

人に貴重な時間とお金を割いてまで足を運んでもらうことは、本当に奇跡みたいだし、ありがたいことだと知ることもできた。

そういった点では、15,000円ほどの赤字なら勉強代として、高すぎるということはないなと、終わった今では思っています。

 

ブログやSNSでの宣伝を頑張るつもりではいましたが、正直なところ、プラマイゼロにはなってもプラスになることはほぼないことを、承知していました。

それでもぼくが、どうして「ザ・トゥルー・コスト」という映画を、わざわざ上映会という形を取ってまで皆さんに観て頂いたのか。

 

ただただ、ぼくが自腹を切ってでも、何としてでも、この映画を1人でも多くの人に観て欲しかったからです。

ぼくは自分で15,000円を払ってでも、それだけのお金を出してでも、この映画をとにかく観て欲しい。

 

それは上映会が終わった今、画面越しにこの記事を読んでいる、そこのあなたに対して訴えかけていることです。

「ザ・トゥルー・コスト」という映画は、iPhoneやMacのパソコンを使っている人なら、iTunes Storeにて、たったの400円を払うだけで見ることができます。

 

実は上映会を告知する記事でも、このことには触れていませんでした。

それは単純に、そして純粋に「それなら、わざわざ足を運ばずとも、今すぐここで観るわ」と思われてしまうことが怖かったから。

自腹を切ってでも開催することを決めた以上、その怖さがどこまで行ってもあったからです。

 

ただ、ごく普通に近くのレンタルDVDショップで借りられる映画でも上映会という形を取って上映されていること。

上映会の開催を、身近な人に相談したときに「わざわざ言う必要もないんじゃないかな」と言って頂けたことをきっかけに、最終的には自分で決めて特に触れずにいました。

 

ぼくはこの映画を、ぜひ多くの人に観て欲しいけれど、毎回のように自腹を切ってまで上映会を開催するなんてことをしていたら、身が持ちません。

だから、今だからこそ言います。「ザ・トゥルー・コスト」は、あなたが今、そこで使っているスマホやパソコンを使って、そこから一歩も動く必要もなく観れるんですよ。

 

ぼくが自腹を切って、15,000円を払ってでも観て欲しいと心底思っている映画。

どれだけ強く、「観て欲しい」と思っているか。

それを上映会を開催するという行動や、自腹を切ってでも、という覚悟からも皆さんに伝えることができれば、と思っています。

 

これを観て、今一度「ファッション」について、是非ご自身の頭で考えてみて欲しい。

その上で、あなたなりの、自分が服を着る理由を考えてみて欲しいんです。

 

そのきっかけを、画面越しにでも、自腹を切ってでも、1人でも多くの人に与えることができたなら、それで初めてぼくは、上映会を開催して良かったと、心底思うことができるはずです。

 

日程が空いていたのなら、4月28日に予定がなく、新宿に行くこともそう難しくなかった状況なら、そんな人にはもちろん、上映会に来て欲しかったです。

ただ、人に時間とお金を割いてまで、ひとつの場所に来てもらうということが、どれだけすごいことで、奇跡的で、ありがたいことなのかも、同時に知ることができたから、きっといいのでしょう。

 

来て下さった方には、心の底から本当に感謝しています。

そうじゃない人にも、これは観て欲しい映画だということを、最後に強く主張しておきます。

▶︎ ザ・トゥルー・コスト ~ファストファッション 真の代償~ (字幕版)

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いわはし

いわはし

もうすぐ30歳になるので、うかうかしていられません。

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