映画「The True Cost」を見て知った、ファストファッションが人を殺めている事実


この記事を読み始めたそのときも、あなたは洋服を着ているか、視界に入る場所にそれらが見える状況にあると思います。
人間が生活する上で欠かせない「衣食住」に関わるモノたち。
洋服は「衣」の役割を担う、どうしても普段の生活に欠かすことのできないモノです。
 
ぼくは洋服が大好きで頻繁に服屋さんへ足を運んでいます。
お気に入りの洋服は自分に自信を与えてくれる。
いつもより少しだけ胸を張って歩けるようになる、ぼくにとって鎧のようなもの。
 
ひょんなことから出会った「The True Cost」という映画を見て、洋服が大好きなぼくもそれとの付き合い方を改めて深く考えさせられました。
人は消費を繰り返すだけでは永久に幸せにはなれない。
ファッションに、洋服に対する考え方が180度変わってしまうような、衝撃的な映画です。
 

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ファストファッションは人を殺める


ファストファッションが人を殺めた。
これは例えば精神的に、なんて意味ではなく、本当に多くの人間の命を奪ってきた過去に基づいて言えることです。
 
ぼくたちが普段から着ている洋服には中国製のものが多いですが、日本に住んでいながらどうしてそんな状況にあるのか。
答えは簡単で、中国に製造を依頼した方が人件費も安く済むからです。
 
人件費を抑えることができれば、販売価格も安くできる。
世界中で「ファストファッション」と呼ばれる安価な洋服やブランドが流行っていますが、これらは費用を抑えることで安く洋服を販売しています。
 
一見すると消費者のぼくたちにとっては嬉しいことかもしれませんが、その裏には泣いている人が無数にいて。
中国に次いで衣料の輸出量が多い、すなわち国外から縫製の仕事をたくさん受けている国がバングラデシュです。
 
この国では貧しい人たちは生活するためのお金を稼ぐために、縫製の仕事に就く人が多く。
仕事をして必要最低限の生活ができるだけのお金を稼ぐことができればいいですが、そんな訳にはいきません。
 
消費者の欲にまみれ、ファストファッションブランド経営者の欲にまみれ、日々大量に生産されていく洋服たち。
ブランドはその過程に必要不可欠な縫製の仕事を、バングラデシュの工場に依頼します。
 
激しい価格競争で生き残るため、ブランド側は似た洋服を他のブランドよりも安価で販売することに必死。
「他のブランドがいくらで売っているから、うちはそれより安い価格で売らなきゃいけないんだ」
 
販売価格を抑えるためには、当然ながら製造に掛かる費用を抑えなければならない。
バングラデシュの工場に縫製を外注するとき、ブランド側は工場側の希望金額よりも低い価格に費用を値切ります。
 
工場はその仕事を断れば「それなら他の、もっと安く受けてくれる工場に依頼するからいい」と他の工場を探しに行く。
それでは工場自体が潰れかねないので、仕事を貰えるだけマシだと思って受けるしかない状況に追い込まれてしまいます。
 
受けた仕事から発生する利益を元に、工場は従業員に給料を渡す。
その給料は、従業員が必要最低限の生活をするために必要な金額には達しません。
 
そんなあるとき、工場には前々から建物にガタが来ていることに気付いていながら、見て見ぬフリをしていたことに対しての限界が訪れる。
巨大な建物が崩壊し、1,000人以上の死者を出す事件が複数、相次いで起こったのでした。
 
工場側に建物を修理できるだけのお金はない。
それ以前に、抱えたたくさんの従業員に給料を支払わなければ工場は機能しなかった。
 
複数回に及ぶこういった事故を引き起こした大元の原因は、安い費用で工場に無理を言いながら仕事を依頼し続けた側にある。
ファストファッションが、何千人もの人を殺めた事実です。
 

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人は消費を繰り返すだけでは幸せになれない

ここまで書いてきたのが、「The True Cost」という映画における一部の内容でした。
 
どうしてぼくたちは洋服を買うのか。
そんなことを改めて考えさせられるような内容や、実際に工場で働いている人へのインタビューも含め、ファッション業界の現状をリアルに記録したドキュメンタリー。
 
製品には2種類あって、一度購入したら長い間使うものと、消耗品に分けられる。
ファストファッション (消費主義)は長い間使うものであるはずだった洋服を、消耗品へと変えていく。
 
映画の中にはそんな一文 (厳密には少し異なりますが、そう解釈できる内容でした)が登場し、ぼくはそれが見終わってから時間が経った今でも頭に残っています。
 
ファストファッションが登場するまで、人が洋服を買うサイクルは今ほど短いものではなかった。
今や毎週のように新商品が登場する。
しかも、ほんの10年前には考えられない程に安い価格で販売される。
 
強烈な価格競争の果てに生み出されたファストファッションというビジネスが洋服の販売と消費サイクルの回るスピードを今まで以上の速度に変えた。
結果として世界中に働いても働いても少しのお金しか得ることのできない人たちが増え続けているんです。
 

ジーンズが1本何百円なんてありえない。どこかの工程で誰かが泣いているかもしれないのに、安い服を着ていていいのか。
いい物には人の手も時間も努力も必要だからどうしても高くなる。いい物は高いという価値観も残って欲しい。

2009年、朝日新聞のインタビューで日本を代表するファッションブランド「COMME des GARCONS」のデザイナーである川久保玲さんは仰っていました。
 
川久保さんが仰っているように、ファストファッションが登場する前まで洋服はそこまで頻繁に買うものではなかった。
映画の文中にあった言葉で言うなら”一度買ったら長い間使うもの”だったはずが、ファストファッションの登場により洋服が消耗品として扱われていることの証です。
 
ぼくは洋服が大好きです。
これまでファストファッションからハイブランドに至るまで、色々なブランドの洋服をたくさん着てきました。
 
「The True Cost」を見てからは、今一度洋服との向き合い方を考えるべきだと思うようになりました。
消費をするだけじゃ、単にたくさん洋服を着ているだけじゃ、人は幸せになることはできないと知ってしまった。
 
人はなぜ洋服を着るのか。
どうしてたくさん洋服を買うのか。
 
その行動の奥にある、真の本質を考えること。
改めて自分と向き合って、その理由を考える必要があることを強く訴えかけてくる。
「The True Cost」は洋服を1着でも持っている人になら、是非見て欲しい映画です。
 

この映画は、生きる上で洋服を着る全ての人に見て欲しい。
そんな思いから、4月28日(日)に東京都内にて公式のサービスを利用した上映会を主催することを決めました。
 
詳しくは次に公開する記事でアナウンスします。

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いわた

いわた

1994年生まれの24歳。大学在学中に「小遣い稼ぎがしたい」という理由でブログを始める。就活を行うも、面接に落ちまくったことから新卒で職業「ブロガー」として独立。現在は2017年8月に開設したファッションブログ「いわたの偏愛コレクション」と共に、2つのブログを運営している。
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