趣味のひとつでしかないと思っていたファッションは、人生そのものでしかなかった。

幸服論。メンズファッションバイヤーとして有名なMBさん著の一冊で、発売当初から気になっていたものをふとしたきっかけで手に取り、読んでみました。

幸服論ってもう、タイトルからして素敵な本。

 

内容もタイトルに共通しています。

簡単にまとめるのなら、ファッションに関心を持って身なりを整えたなら、そこで身につけたスキルや思考はそのまま仕事や恋愛にも応用できるよ、というもの。

 

物事って何かひとつでも極めると、その本質は他の物事にも通づるものだったりしますよね。

ある分野で成功するために大切な考えは、実は他の物事にも共通しているから、応用ができる。

仕事のできる人がモテるっていうのも、それと同じことだと思います。

 

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ファッションを入り口に、大きく人生観を揺さぶられる本

「おしゃれをして自信を得ることが全て」本の中でMBさんはそう書かれています。

おしゃれをして自信を得て、人から褒められて自己肯定感を持てるようになり、色々なことに挑戦できるようになる。

その繰り返しで人生は豊かになっていく。

 

実を言うとぼくがこの本を読んだ最初のきっかけは、運営しているファッションブログをこれからどうしていこうか考えていたからでした。

ぼんやりと考えている範囲では、今のぼくはもっと自分で洋服を作りたい。それを売りたい。多くの人に着てもらいたい。

 

そういった目的がある中で、果たすにはブログをもっと多くの人に読んでもらえるようにするのがいい。

多くの人に読んでもらうには、多くの人が欲している情報を記事にするのがいちばんいい。

 

今のまま自己満足で自分が楽しい記事を書くのも、それはそれで楽しさのひとつ。

ですがどうも、長く続けることを考えれば、独りよがりの遊びほど虚しいものはないと思うようになってきました。

 

もう一度、自分が洋服に興味を持ち始めた頃の気持ちに戻りたい。

そんな思いから、雑誌「FINEBOYS」と一緒にこの「幸服論」を買ってみたのでした。

 

MBさんの本は、洋服に興味を持ち始めた方が読んでいる。

その人たちが欲している情報だったり、気持ちを知りたくて、読んでみた幸服論。

最初にも書いたように、この本はファッションを入り口に恋愛や人生にも話が繋がっていく、MBさんが書かれた本の中でも少しだけ性質の異なるものです。

 

純粋に「おしゃれになる方法」が書かれた本を選ばなかったのは、読んでも既に知っていることが多かったり、ぼくがそこに関心がなかったりするからだったと思います。

洋服に興味を持ち始めたばかりの人の気持ちを知りたいと思っておきながら、せっかく読むなら自分で読んでも面白いものを読みたいと思う気持ちがありました。

 

色々な気持ちの狭間で、何とも中途半端な読者目線で本を読み進めるぼく。

 

序盤にはコーディネートのイロハや鉄則。

(読んでいるぼくの気持ち: 自分でも何となく意識はしていたから、興味は薄い。でも、皆こういうことが知りたいんだな)

 

中盤以降、ファッションのスキルを仕事や恋愛に生かすお話。

(確かに、物事の本質は極めればどれも共通しているんだろうな。仕事のできる人がモテる理由もそうなんだろう)

 

ラストスパート、人生観に関する話に展開。

(意識の高い話になって、ついていけないかもしれないと思い始める(チクチク伸びてきたヒゲを毛抜きで抜きながら)

 

ただ、ファッションから展開していった後の話でも、大きく人生観を揺さぶられるような部分があって。

それが「自分だけにとっての幸せを考えてみましょう」という一節でした。

 

自分にとって何が幸せなのかを考える。その物差しが明確に存在すれば、他人を見て羨んだり嫉妬することはまずなくなる、というもの。

 

ここにぼくは心を揺さぶられ、同時に最近はSNSをあまり見ないようにしている自分がいることにも気付いて。

SNSを見ないのは、人が頑張っている姿を見たり、結果を残している姿を見ると悔しい気持ちになったり、惨めな気持ちを感じたりするから。

 

それがアピールの場だということは分かっていても、です。

大体の人は、日頃の出来事においても人に見てもらいたいことしか投稿しない。そんな場所がSNSだと分かっていても、何だか悔しくなってしまう。

 

その原因ってまさに、自分にとって何が幸せなのかを自分でも定義できていないからなのではないかと思ったんです。

「年収○○万円になった」「こんなことができた」

 

他人のそういった幸せを見て気持ちが動揺するのは、自分にとっての幸せが定義できていないから。

「自分にはこれだけあれば幸せ」と思える何かがないからなんでしょう?と、MBさんに問い詰められている気分でした。

 

その一節に衝撃を受け、読んでからしばらく考えてみたその答え。

結果としてぼくは、ただ今の生活で既に満足できているのではないか、と思っています。

 

生活できるだけの収入があって、自由に寝たり出かけたりもできて、好きなときに買い物をして、好きなようにブログを書く。

「生活できなくなるほど収入が減ったらどうしよう」とか、不安も少しはありますが、それ以外は大いに満足しています。

 

お金持ちじゃなくても、生活できるだけのお金があって、自由な時間があって、大好きなブログも書ける。

スーツでどこかに出社する訳でもないから、毎日好きな服を着ることができている。好きな服も買える。たまには昼間からお酒を飲んだりもできる。

 

これがぼくにとって幸せの物差しで、満たせているから今は幸せなんじゃないかな?とぼくは思っています。

自分にとって、幸せの定義と決めてみる。これで人を羨んだり嫉妬することがなければ、ただぼくは何も無理をすることなく、現状のままでいい、それだけのこと。

(強いて言えば彼女がいればもっと楽しいのかなと思いますが、もはや追加オプション感覚で、ほぼ諦め状態)

 

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誰もに共通する話題、ファッション。だからこそ手に取って欲しい

ただファッションに関する知識を得れるだけではなく、最終的にはそこで得た知識を人生そのものに生かしていく。そんな考えで書かれた本が「幸服論」

スケールの大きい話に聞こえますが、MBさんはそれを冗談抜きで考えられている方です。

 

少しでもファッションに興味や関心がある方には、是非この本を読んで欲しいと思いました。

洋服が仕事を、恋愛を変えて、人生を豊かにしていく。

とても素敵で、ワクワクする未来をぼくらに想像させてくれる、幸服論。

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いわはし

いわはし

もうすぐ30歳になるので、うかうかしていられません。

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