【完全版】プロの実演写真付き!Barbourの正しいリプルーフ方法を学んできた

誰も知らない、Barbourのオイルドジャケットを家庭でリプルーフするときの、最も正しくスムーズな方法。

「誰も知らない」と書いてしまうと大げさかもしれませんが、少なくともネット上にはオフィシャルの情報はほとんど出回っていないように思います。

 

「Barbourのオイルが抜けてきたからリプルーフ (オイルの塗り直し)をしたいけれど、一体どうやればいいんだろう?」

ぼく自身もそう思っていた1人で、実際に出回っていた僅かなネットの情報と、買ったオイル缶のフタにちょこんと付いていた説明書の内容だけを頼りにリプルーフを行いました。

行ったはいいものの、基本的には自分が過ごしている、暖房を入れた部屋で放置&乾燥をさせること1週間。

未だに生地表面はテカテカで、まだまだ街着として着れるほどにはオイルがジャケットの生地に浸透していません。

 

一部の記事では「完全に浸透して落ち着くまでに3ヶ月かかる」なんてことも書かれていたりして、思っていた何倍も長いな・・・と落胆したり。

それでも正しい情報はどこにも出回っておらず、「リプルーフしてみた」的な記事はあるものの、乾いた後のことを書いているブログはほとんどなく。

 

ということで今回は、Barbourの実店舗で働かれている、まさにオイルドジャケットのプロによるリプルーフ作業の工程を実際に見学してきました。

さらにスキマ時間を縫って、1週間放置しても一向に乾かないぼくのオイルドジャケットに関しての疑問も直接、質問をさせて頂き。

 

「これでbarbourのリプルーフ作業に関しては完璧だろう」と、実演を見て確信したので、改めてプロが行うリプルーフの工程を記事にまとめておきたいと思います。

これこそが本当に正しい、プロによるBarbour愛好家のためのリプルーフ方法です。

 

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Barbour渋谷店で不定期に開催される「Barbour People Meeting」

今回、ぼくがリプルーフの工程を見学に行ってきたのはBarbourの渋谷店。

こちらでは不定期に、店員さんによるBarbour愛好家のためのイベント「Barbour People Meeting」が開催されています。

少し前にたまたまBarbourのホームページを覗いてみたのですが、運良くこのイベントが数日後に行われるというタイミングでした。

2階建ての店舗のうち、1階では抽選でイラストレーターさんにBarbourを着た自分のイラストを書いて頂けるイベントが。

そして2階では、店員さんによるリプルーフの実演が行われていました。

 

余談ですが、ホームページにも「ぜひ愛用のBarbourを羽織ってご来店下さい」と書いてあっただけあり、いらっしゃったお客さんの9割はBarbourのアイテムを着用していました。

ぼくはといえば、年末に購入した古着のBEDALEがリプルーフしてから全く乾いていないので、もちろん違うアウターで参加。

ドレスコードとしてBarbourの着用が決まっている訳ではないので、他のアウターを着ていたって何の問題もありません。

 

最初から最後までスムーズだったプロによるリプルーフ全工程

ということで、ここからは最初から最後までスムーズだったプロによるリプルーフの全工程を順に書いていきます。

【Barbourのリプルーフに必要なもの】

・Barbour公式のオイル「ワックス ソーンプルーフ ドレッシング」

・スポンジ (お皿を洗うときに使うもので、網に入っているものだと尚良い)

・乾いた柔らかい布 (できればパイル地でないもの)

・オイルを湯煎するための設備

 

※事前準備 ジャケットの汚れは水拭きで落としておく

リプルーフを行う前の事前準備として、ジャケットの汚れは濡らした柔らかい布などである程度、拭き落としておくと作業が行いやすくなるそうです。

何年か着て、ジャケット表面のオイルが落ちてしまったときに行うのがリプルーフ。

改めてオイルを上から塗り込む前に、ジャケット表面に付着した古い汚れは落としておくべき、ということでした。

 

工程① 固まっているオイルを湯煎で温めて液状にする

Barbourのソーンプルーフ ドレッシングは缶のフタを開けると、固まって白い状態になっています。

まずは缶ごと十分に湯煎して、オイルを固形から液体にしておくのが最初の工程。

 

沸騰するくらいのお湯とお鍋を用意して湯煎を行い、5~10分ほどすると固まっていたオイルが透明な液体に。

家で行うならガスコンロにお湯と鍋を用意して湯煎することが多いと思いますが、プロは電気コンロで常にオイルが固まらないよう温度調節をされていました。

 

工程② ジャケット自体の温度を十分に温める

オイルが液状になった頃、今度はそれを塗り込むためのジャケット自体を温める工程に。

見ていて「この工程はどうして必要なんだろう?」と思っていましたが、どうやらオイルをスムーズに塗り込むためには欠かせないとのこと。

 

どれだけオイルが温かくなっていても、ジャケット自体が冷えていると生地の上でオイルが固まってしまう。

それを防ぐために、ジャケット自体の温度も予め上げておくんだとか。

 

今回はダンボールに四角い穴を開けたものにジャケットを畳んで入れ、写真のように穴からドライヤーの熱風を送り込むという形で温められていました。

「火事には気をつけながら行ってください」と仰っていましたが、確かにこれなら効率的にジャケット全体の温度を上げることができますよね。

 

工程③ オイルをスポンジに取り、ジャケットに塗布していく

ここからがいよいよ、リプルーフ作業の本番。

しっかり溶けきって液状になったオイルをスポンジに取り、ジャケットの生地に薄く伸ばしながら塗布していきます。

 

店員さんが「やや熱いくらい」と仰るくらいには、しっかり熱されて温まったオイル。

ジャケットもしっかり温められているだけあって、スポンジに取ったオイルは水のようにすーっと、スムーズに塗り込まれていきます。

 

工程④ ダンボール&ドライヤーで塗布したオイルを乾かす

片袖の表と裏、縫い目にまでオイルを塗布したら、次に塗布するもう片方の袖を上にしてジャケットを畳み、再度ダンボールの中へ。

先ほどと同じ要領でダンボールの中にドライヤーで熱風を送り込み、そのまま2~3分ほど続けて塗布したオイルを乾燥させます。

 

同時に次に塗布するもう片方の袖を上にしてジャケットを畳み入れることで、生地が温まるのでオイルを塗布しやすくなるとのこと。

この工程では塗ったオイルの乾燥と、次に塗る部位へスムーズに染み込ませるために行うジャケットの再加熱を同時に行われているようでした。

加えてこのとき、ダンボールから出したタイミングでも生地に染み込まずあぶれているオイルは乾いた布で拭き取ってあげましょう

(写真右の店員さん参考)

 

工程③と④を繰り返してジャケット全体にオイルと塗布する

あとは工程③と④をひたすら繰り返して、ジャケット全体にオイルを塗布しては2~3分、ダンボール&ドライヤーで乾かす。

この作業の連続を繰り返して、リプルーフ作業は完了とのことでした。

 

塗布する作業自体を終えてしまえば、あとは浴室乾燥か暖かい部屋で一晩乾かすだけ。

ポイントとしては、常にジャケット、オイルの温度を温かく保っておき、作業途中でオイルが白く固形しないように注意すること。

オイルが固まってしまうと生地の表面に「乗っているだけ」の状態になってしまうため、深く浸透はしてくれないんだとか。

今回のリプルーフイベントは第1部が20時15分〜、2部が21時〜で開催される2部構成になっていました。

全体を通して要領は同じとのことだったので、ぼくは両袖にオイルを塗布する1部だけを見学して帰宅。

 

工程③と④を繰り返し、「ここまで来たら浴室乾燥か、暖房の効いた部屋で一晩寝かせれば終了です」という段階まで終えた状態の袖が上の写真。

ジャケット全体にリプルーフをすればオイル缶を使い切るほどの量を染み込ませるので、2~3分のドライヤー乾燥を繰り返しただけではまだまだ生地も濡れています。

 

それでも、この段階で触らせて頂くと既に手にオイルが付いてベタベタするような不快感は一切なし。

サラッとしたオイルが、少しずつ生地の奥底にまで染み込んでいくような感覚がありました。

 

1週間経っても乾かない、ぼくのリプルーフは失敗だったのか?

店員さんが1部で行った袖のリプルーフから少し時間があったので、ここで百戦錬磨のプロに直接質問をしてみました。

冒頭でも書いたように、ぼくは1週間ほど前にリプルーフを行ったのですが、全ての工程を終えて乾かす段階に入っても、未だに生地表面はテカテカのまま。

 

オイルを塗り込む量が多すぎたのか?

これだけ乾かない原因は一体何なのか?

一刻も早くBarbourのオイルドジャケットを着たいぼくは、プロに聞いてみると・・・。

 

「まだオイルが缶に残っているとのことなので、使う量としては多すぎることはないと思います」

「ただ、ジャケット自体の温度が低すぎたので、オイルが生地に浸透せず、表面に”乗っているだけ”の状態になっているはず」

 

というお答えを頂きました。

確かにジャケットにオイルを塗り込んでいる時点で既に白く固まり始めていて。

 

「最後にドライヤーの工程で馴染ませるから大丈夫」なんて言いながら進めていた訳ですが、結果的には終始ジャケット自体の温度が低かったことが原因となっているそうです。

 

今からでも乾かす具体的な方法としては、ダンボール&ドライヤーで少し根気よく、ジャケット全体を温めながらオイルも乾燥させること。

もちろん実行しますが、これに関してはそこそこ時間が掛かりそうな上、この記事も長くなってしまいそうなので、試した上でまた別の記事に書きたいと思います。

 

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手間でも自分で手を施せば愛着も増していくもの

リプルーフ作業なんて、正直なことを言ってしまえば面倒臭いものかもしれません。

何なら業者さんに依頼することだって可能ですが、それでも自分で手間暇かけて作業を行えば、洋服への愛着は増していくもの。

 

革靴を磨くにしたって、デニムジーンズを穿き込んで色落ちや経年変化を楽しんでいくにしたってそう。

手間暇をかけて育てあげるところにこそ、Barbourのオイルドジャケットのように経年変化を感じながら長く愛用できる洋服の楽しみは存在します。

 

逆に言えば、Barbourのオイルドジャケットに関してはリプルーフという名のメンテナンスを怠らなければ、半永久的にでも着続けていけるもの。

長い目で見たとき、ずっと愛用してあげるためにも時々はリプルーフを行ってあげましょう。

 

ぼくも最初となった今回は決して上手くいきませんでしたが、作業自体はとても楽しいものでした。

業者さんに依頼すると料金として12,000円前後が必要になりますが、ご自身でワックスを購入すれば2,700円と、非常に安く済むのも嬉しいところ。

Barbourのオイルドジャケットを長く着るためにも、リプルーフ作業は欠かさずに行ってあげてください。

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いわはし

いわはし

もうすぐ30歳になるので、うかうかしていられません。

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