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いわタワー

服マニア学生ブロガーが洋服に関するあれこれを独特の切り口から記事にしてお届けするファッション系ブログ

ブランドネームに価値を見出すな。マルジェラがタグに込めた意図

ファッション
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引用:http://www.fashion-press.net/collections/gallery/17699/305503

こんにちは、いわたです。

今日は少しコアなファッションの記事。

ファッション業界では1年ほど前から大きな話題となっていましたが、世界的に有名なブランド「メゾン・マルタン・マルジェラ」のデザイナーにあのジョン・ガリアーノが就任しました。

ジョン・ガリアーノといえば自身が手掛けるブランドの他にもDiorのデザイナーを務めた経験もあり、その華やかな世界観を持つ服は多くの人を魅了してきました。

そんな華やかなデザインを得意とするジョン・ガリアーノが彼とは真逆の位置にある退廃的なデザインを特徴とするメゾン・マルタン・マルジェラのデザイナーに就任したのだから話題になって当然です。

それに伴ってブランド名を「メゾン・マルタン・マルジェラ」から「メゾン・マルジェラ」へ変更しました。

少し前に発表されたジョン・ガリアーノによるメゾン・マルジェラのメンズコレクションについても取り上げたいところですが、今日はそこではなく、「メゾン・マルジェラの服に込められた想い」について書いていきます。

 

メゾン・マルジェラとは

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引用:http://sota-japan.com/?pid=82000242

それ以前に「メゾン・マルジェラとは何ぞや?」という方へ向けてざっくりと説明をしておきます。

メゾン・マルタン・マルジェラ(現メゾン・マルジェラ)は1988年にデザイナーのマルタン・マルジェラが設立したファッションブランドです。

発表されるコレクションの雰囲気はどこか退廃的で歪んだ印象。型にはまらない非常に斬新なルックに驚かされます。

今やパリコレに欠かせない超有名ブランドですが、元デザイナーのマルタン・マルジェラはメディアへの露出が一切ありませんでした。

普通であればどのブランドのデザイナーも、コレクションでモデルが作品を着てショーを行った最後に出てきてカメラマンへ向けて手を振ったり頭を下げたりして挨拶をしますが、マルタン・マルジェラは一切登場することがありませんでした。

それどころか公には公開しないまま2008年にはブランドを去っていて、以降つい最近ジョン・ガリアーノがデザイナーに就任するまではデザインチームが服のデザインを行っていたんだとか。

マルタン・マルジェラは自身が立ち上げたこのブランドにはもう関わっておらず、それどころかファッションよりも家のデザインに興味を持っているという噂も。

ブランドの定番人気アイテムにはジップが左右に大きく、漢字の八のような形に配置された見た目からそう呼ばれるレザージャケットの「八の字ライダース」や

メッセージの一部の文字は着ている人しか見えない部分にプリントされているため、他の人が「何て書いてあるの?」と聞くことで初めて、エイズ患者を応援する意思を持ってそのTシャツを着ていることを伝えられる「エイズTシャツ」

ドイツ軍の訓練用スニーカーを復刻しペンキをまき散らしたデザインが特徴の「ペンキ加工ジャーマントレーナー」などがあります。

 

あえてタグを外しやすくしている

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引用:http://b-o-y.me/archives/9743

メゾン・マルジェラの服は個性的なコレクションやデザインに目を惹かれますが、他にも気になるのがメゾン・マルジェラの服はあえてタグを外しやすくしているということです。

ブランドタグはデザイナーが「この服は私がデザインしました」と証明するためのとても大切なものなのでしっかりと縫い付けられていたり、プリントされているブランドがほとんどです。

その中でもメゾン・マルジェラの服についているタグは写真のように四つ角を簡易的に縫い付けているだけなので、すぐに外れてしまいそうです。

けれどこれにはブランド設立者であるメゾン・マルジェラのとても素敵な想いが込められているんです。それに関しては後ほど説明をします。

 

ブランド古着はタグの有無で金額も大幅に変わる

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ブランド古着屋で働いていて服の査定をする僕からすれば、服を売りたいと査定を申し込んだお客さんの服にブランドタグが付いているのとそうでないのでは買取価格に天と地の差があります。

その理由は至って単純で、例え定価の高いブランドの服であったとしてもブランドタグが付いていないとそれが証明されないからです。

ブランドタグがなくても品質表記タグが身頃に縫い付けられているので会社表記などからブランドを特定することはできるのですが、デザイン性や品質を証明し補償する役割を担うブランドタグがないことは致命的です。

まさにブランド力が命ということを象徴していますよね。特に日本人はブランド物が大好きなのでこういった部分には厳しいです。

 

服のどこに価値を感じるか

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それじゃあ洋服はブランド力が全てなのか。実際、僕もブランド古着屋へ行ったときはデザインよりもブランドタグを先に見て判断をすることが多々あります。

以前、僕が服を選ぶ基準を徹底的に考えてみたときにまずブランド名を見ていたことに気が付き、自分でもそれをとても不思議に思っていました。

「このブランドは定価が高い。その上でこのデザインなら欲しい」といったように、まずブランド名を見て買うか判断をし、その後でデザインを見てもう一度判断をします。

仮にデザインで直観的に「これかっこいい」と思ったものがあっても、ブランドタグを見て安物だったら買うのを辞めたりすることもあります。

それとは逆にデザインはあまり好みじゃなくても有名なブランドの服だからという理由だけで買ってしまったこともあります(結局あまり着ませんでした)。

服って自分の感性を刺激する素敵なデザインに出会ったときに買うべきものなのに、それをブランドうんぬんで判断してしまっている。

僕には他にも服を選ぶ基準のひとつに「質の良さ」があるので、無名ブランドの服でも触ってみて質が良かったりシルエットが秀逸であれば買うことはあります。

しかしブランドタグを見て買うかどうかの判断をしていたのは僕が服自体には価値を感じていないこともあったという証拠です。

 

「服自体の価値を感じてくれ」マルジェラの想い

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このように、デザイナーズブランドの洋服が目立つようになってからというものの、いつしか人々は洋服の質やデザインそのものよりもブランド力を重視して服を買うようになりました。

このブランドの服を着て自慢したい、と思っている人が多いのも事実です。

ブランド力を重視して服を買う人が増えることでデザインの本質的な部分が重視されなくなっている事実。これを払拭したいと感じていたのがマルタン・マルジェラでした。

マルタン・マルジェラは自身のブランドに付けるタグをあえて外しやすくしています。タグを外して着てくれと言わんばかりのシンプルなタグです。

マルタン・マルジェラはなぜこういったことをしたのかというと、服にはブランド力ではなく服自体の価値を感じて欲しかったからです。

メゾン・マルタン・マルジェラのブランド力だけに惹かれて服を買ったのではないのならば、本当にデザインや質など服の本質的な部分に魅力を感じて買ったのであれば、ブランドなど気にはならないだろう。

それならブランドタグなど必要はない。マルタン・マルジェラはむしろ服についたタグを外して着て欲しいと思っているという噂もあります。

これはファンの間でも有名な話で、タグを付けたままメゾン・マルジェラの服を着ている人は”にわか”ファンなんだとか。

本当にメゾン・マルジェラの服の本質的な部分が好きで着ている人はタグを外して着ているのでしょうが、僕はまだそんな人を見たことがありません。日本人はブランドが大好きですからね。

さいごに

僕はマルタン・マルジェラのこの考えにとても共感しています。そしてこのブランドが大好きですが、服は高いので買えるのは社会人になってからになりそうです。

今持っているのはリングと財布だけですが、僕がメゾン・マルジェラの服を着るようになったら必ずタグを外して着るでしょう。